2008年6月30日月曜日

市民メディアセンターって何?

G8市民メディアセンターは、北海道洞爺湖サミットに際して用意する、市民メディアの記者やフリージャーナリストのプラットホームです。センターはそうした市民記者の取材や発信の拠点となります。また、インターネットや各種機材が用意されます。

●市民メディアセンターはどのような役割を果たすのですか?

G8サミットは環境問題を中心に貧困問題や食糧問題、平和など私たち市民の生活にも関わりの深い重要なことが議論されます。近年、そうしたサミットに市民の声を反映させようと、NGO(非政府組織)やNPOが政策提言をしたり、フォーラムを開催したり、アピールをおこなったりする動きがさかんになってきています。サミットに先立ち、首脳や首脳の個人代表と市民の対話集会であるシビルG8が開催されたり、サミット期間中にさまざまなイベントがおこなわれるのですが、サミットそのものの陰に隠れてしまい、マスメディアで大きくとりあげられることが少ないのが実情です。新聞やテレビでは、サミットに抗議して暴徒化したデモ隊などの様子ばかり報じられています。そこで、市民による活動を市民自身がもっと伝えていこうという市民メディアの活動が活発になってきています。そうした市民メディアによる取材・発信の拠点となるのが市民メディアセンターです。

●ルスツにできるメディアセンターとはどう違うのですか?

サミット期間中には、ルスツにIMC(国際メディアセンター)が開設されます。しかし、この施設は、主に大手メディアに従事する記者のために用意され、主に政府の発表をもとに報道がおこなわれます。一方、市民メディアセンターは、世界中からの幅広く市民記者を受け入れます。大手メディアが報道しない多様なニュースをうみだすのに役立つと期待されます。市民メディアセンターが開設されるのは札幌で、洞爺湖から車で2時間離れていますが、サミット期間中には、NGOによるオルタナティブ(もうひとつの)サミットやピースウォークなどのイベントが多数予定されているためです。

●過去のサミットではどのようなセンターがつくられたのですか?

昨年のドイツでは、サミット会場のハイリゲンダムから車で30分ほどのロストックという街に、市民メディアセンターが2ヶ所開設され、ヨーロッパを中心に世界各国からの数百人の市民記者が集まり、NGOの活動やデモの様子が、映像やラジオ番組やweb記事で発信されました。地元自治体が提供した廃校を利用したセンターには、NGO活動インフォメーションセンターが併設され、サミット終了後の現在もそのまま残されており、国や自治体から援助を受けながら、ソーシャルセンターとして、地元の市民活動に大きな役割を果たしているようです。

●市民メディアセンターは誰が運営するのですか?

札幌で市民メディアの活動をおこなっている団体や個人が、「G8市民メディアセンター札幌実行委員会」を結成して運営にあたります。また、全国の市民メディア関係者による「G8メディアネットワーク」が、映像やラジオ番組web記事による情報発信の基盤整備をおこないます。期間中は、通訳・翻訳をはじめ、センター運営に多くのボランティアスタッフの力が必要です。市民参加によって、世界への情報発信のサポートが可能となり、草の根の国際交流も生まれることになります。また、運営資金は寄付金や助成金が充てられますが、不足しています。みなさまのご協力・ご厚志をお待ち申し上げます。