2008年6月18日水曜日

6/15取材ワークショップを行いました

6月15日、「フェアトレードフェスタ2008~広がる輪 つながる手と手~in さっぽろ」の会場で取材ワークショップを行いました。

取材方法のオリエンテーションの後、各ブースなどを訪ねて取材を行いました。



G8市民メディアセンター市民記者レポート】
 2008615日に札幌市の大通公園1丁目にて「フェアトレードフェスタ2008~広がる輪 つながる手と手~in さっぽろ」が実施されました。そこで、フェアトレードフェスタ2008 in さっぽろ 実行委員会の方々及び出店者の方々にお話を聞くことができました。


●北海道大学の研究生アキール・バルアさん
 北海道大学インド人留学生の方々がインド・フェアトレードのブースを担当されていました。アキール・バルアさんは、
2005年にインドから来日、北海道大学では農学部にて研究をしているとのことです。インド・フェアトレードのブースではチャイ・マンゴーラッシーなど祖国インドから取り寄せたものを提供しながら、フェアトレードを日本でも広めていきたいとの思いで出店しています。「G8サミットの環境や貧困の問題について、サミットで決定される事項が市民レベルにどのように浸透させていくのかが最終的な問題であり、その経過をしっかりと見て行きたい。限られた人々ではなく、地球上に住む人々全体が、自分の問題としてさまざまな問題と向き合いながら、解決していくことが、今回の会議のゴールでなはいか」と、おっしゃっていました。


●北海道教育大学札幌校国際理解教育課程 佐々木香澄さん
 佐々木香澄さんはワークショップブースのリーダーとして、今回のフェアトレードフェスタに携わっていました。ワークショップの主旨が「フェアトレードは何かを多くの人々に知ってもらうこと」のため、内容がクイズ、ゲストトーク、芝生をコーヒー豆農園に見立てたすごろくゲーム、しおり作り体験などで構成されていました。多くのブースがフェアトレード商品を扱っている中で、「フェアトレードとは何か、その意義とは何かを認識する」ワークショップブースを設置するというのは消費者の人々がフェアトレードを理解するという点で非常に画期的に感じました。大学4年生の佐々木さんですが、今回のフェアトレードフェスタ後は卒業論文のテーマに貧困問題を掲げ、積極的に「問題解決の糸口を見出していきたい」と意欲的に話されていました。


●「北星フェアトレード」田中和幸さん
 「北星フェアトレード」のブースでは、バングラデシュの手作り製品を販売していました。主に伝統的なノクシカタ刺繍の製品や、ダッカ大学の学生とストリートチルドレンが共同で作成した手作りの小物や
Tシャツがありました。Tシャツにはストリートチルドレン達の手形もついており、すべて柄も違い世界に1つだけの商品ばかり。今回のフェアトレードのためにバングラデシュから商品を取り寄せたそう。ちなみに田中さんは北星学園大学の経済学部の学生で、ゼミの授業の一環としてフェスタに参加されたそうです。準備期間は人によって違うそうですが、田中さんは3週間程度携わったとの事。主な企画・準備は同大学の菅野教授がされたそうです。


●フェアトレードフェスタ2008 in さっぽろ実行委員長 千徳あす香さん
 千徳あす香さんは普段は北
24条駅より徒歩5分の場所で「Earth Cover」というお店をされています。今回も「Earth Cover」のブースで途上国の方達の手作り石鹸や雑貨・衣類・ベビー用品やオーガニック食品等を販売されていました。世界の問題について質問した所、「今回のフェアトレードフェスタを通して、たくさんの方に世界の問題・課題について考えてほしい。」と真剣な表情でお話していました。


●どさんこ海外保健協力会 丹野太介さん
 丹野さんは、カンボジアでももっとも支援の入っていなく、問題も大きい北東部であるナタラキリ州に小学校を建てようと活動しています。ナタラキリ州にはジャライ族という先住民がいます。丹野さんも正直最初は、プノンペンから何十時間もかけ、支援するのは大変そうだと思ったようです。ただそれは実際、ジャライ族との出会いで変わったようです。日本人が失ってしまった純粋さに触れ、部外者を歓迎する姿、自然にやさしい姿をみることが転機になったようです。一番印象に残ったのは、サミットに期待すること、「先住民族を見直して欲しい。」理由は「先住民族で自然破壊をする民族はいない。」どこかで進んでいない人という意識を先住民の方に持っていた私にとって衝撃的でした。どさんこ海外保健協力会では
21日の午後130分から北1条西9丁目のリンケージプラザ2階で活動報告会を予定しています。


●フェアトレードフェスタ2008in さっぽろ実行委員会 さえさん
 さえさんは名前を出すのは難しいとのこと。理由は会社に内緒で活動しているから。そんな大変な状態で
4年間もフェアトレードフェスタを裏方で支えてきたと聞きました。この2日間のイベントに6ヶ月もの準備期間を要するようです。柔らかで、小柄な女性でしたが、とても芯が強く、美しい人だなと移りました。このように、大通り公園というオープンな場所で開かれることで多くの人に知ってもらえると話されていました。そう思いながら、笑顔でチラシを配っている姿が印象に残りました。

  Mari Korhonenさん(スウェーデン)
 環境科学を専門に研究しているマリさんは、先日行われたアースデーのイベントでフェアトレードフェスタのについて知ったとのことでした。 G8サミットについては、以下のように述べて下さいました。

“I am very skeptical about the "sustainability" aspect of the meeting, since I went to visit the website of the meeting and in there it says: "It is important to expand efforts to improve energy efficiency throughout the world and to support international efforts and create basic infrastructures to expand the use of nuclear energy.

(http://g8-summit.town.toyako.hokkaido.jp/eng/summit/eco/index.html)

(今回のG8サミットにおいての“環境保全のあり方”に関して疑いを感じつつあります。 核燃料の使用拡大を促すかのような動きを感じるからです。)

Consumption of energy and natural resources is very unsustainable with our lifestyle. But supporting that lifestyle and pushing economical growth with nuclear energy does not make it sustainable, and I think people should see the bigger picture and look for real origins of the problem, and also real solutions to it.”

(現代のライフスタイルでは、エネルギーや資源の確保は容易ではありませんが、核燃料の使用で今のライフスタイルを支えようするのは良い解決策には思えません。 長い目で先を見据えて、私達が抱える問題の根源を見つめ直した上での問題解決の実現をすべきではないでしょうか。)


~取材を終えて~

 様々な方たちが様々なルートからフェアトレードフェスタに参加しているという事を知り、そして様々な角度から世界の問題についても考えている事に対し感銘を受けました。人により問題に対する意見は様々ですが、現状に対して何かを訴えたい、良い方向に何かを変えたいという思いは皆さん同じと感じました。参加人数や規模も想像していた以上に大きく、一般市民の関心も世界の問題にこれまで以上に向けられていると実感しました。(佐々木直子)


 北海道ではフェアトレードの認知度がまだまだ低く、少しでも多くの人にフェアトレードが何であるかを理解してもらおうとする関係者の方々の努力が強く伝わってきました。多くの人と言葉を交わす中で、フェアトレードについてもG8サミットについても、一部の人だけが理解・関心・問題解決のために動くのではなく、社会全体で地球の問題に対して関心を持って動こうとすることが重要であることを痛感いたしました。 ローカルレベルでの活動の広がりは着実にグローバルな動きへと発展していくものです。個人主義的な考えが蔓延する現代社会ですが、基本に立ち返って皆で協力ながら色々な問題に立ち向かっていきたいと改めて考えさせられました。(大森朋子)

 

 先住民族で自然破壊をする人はいないという言葉が、本当に印象に残りました。きっとどの参加者もそれぞれ興味深いバックグラウンドを持っているのだろうと思いました。今後は聴いている人を意識して話し方、聞き方、音のとり方に注意していきたいです。(相澤佐矢子)