2008年6月19日木曜日

G8関連イベント「フェアトレードフェスタ」

フェアトレードフェスタ2008
  ~広がる輪 つながる手と手~inさっぽろ

フェアトレードとはなんだろうか―――6月14、15日に札幌大通り公園で「フェアトレードフェスタ2008」が行われた。
フェアトレードとは、発展途上国で生産されたコーヒー豆などの食品や生活用品を、環境・文化を尊重しながら、適正な価格で取引し、発展途上国の人々の継続可能な生活向上を支援する活動です。「公平な貿易(フェアトレード)」で輸入された製品を、消費者である私たちは、買うだけで、身近に国際協力を行うことができるのです。
フェアトレードフェスタでは、フェアトレードを多くの人に知ってもらい、広めていくことを目的に、フェアトレード商品や食品、カフェなどのブースが20箇所設置され、それぞれのブースで販売、ワークショップ、イベントがひらかれていた。
会場のブースには環境への配慮がされていた。全ブースの電気は、バイオディーゼル燃料を使用しており、食器類も紙皿や割り箸のゴミを減らすため、皿や箸を貸し出し専用のブースから借りて、各カフェで食事をするという工夫がされていた。
 
A愛ベルコスモの三輪秀樹さんは今回二度目の出展で、全ブースのバイオディーゼル燃料を利用した電気供給、そして、バイオディーゼル燃料を知ってもらうパネル展、活動紹介を行った。「フェアトレード」については去年のフェスタで知ったばかりだが、フェアトレードの普及と同じように、バイオディーゼル燃料の普及にも力を入れている。また、7月に行われるG8サミットに関しては、サミットの中でも話し合われる、エネルギー問題について、「バイオ燃料」の理解を深め話し合いをしてもらいたい、と思いをもっている。
 カフェマヤコーヒースタッフの津久井成美さんは、フェアトレードコーヒーを販売する。マヤコーヒー豆を生産している、グァテマラの先住民の自立、そして環境を守り、消費者には美味しいコーヒーを提供しているお店である。フェアトレードだから提供するというより、おいしく体によいものを提供したいと、津久井さんは語る。津久井さんはさらに、サミット期間中の7月7日に、北海道大学で上映される、子ども、女性、平和に関してのドキュメンタリー映画の上映を手伝っており、国際協力に関し、自らできることを進んで実行している。
 あいにくの曇りにもかかわらず、とても穏やかな雰囲気の中、芝生で寝転びながらイベントを見たり、食事したり、雑貨を見てお店の人と話したりと、楽しくフェアトレードに接することができた。
「フェアトレードという言葉をもっと多くの人に知ってもらいたい。」フェアトレードフェスタの代表、千徳あす香さんは今回のフェスタの目的についてこう述べた。千徳さんがフェアトレードに関心を持つようになったのは、自分の買い物で世界を変えていくというアクションに関心をもったからだという。「来てくれた人はフェアトレードを知らない人が多い。けれど、今回のイベントで知ってもらえたらいい。興味ない人も知ってもらいたい。」
 来る人にはやはりフェアトレードについて知らない人が多く、偶然通りかかった学生の感想は、イベントは知らなかったしフェアトレードのことも知らなかったがとても楽しいし良い思う、というものだった。G8サミットや環境・貧困についても、「サミットに関心はないし、環境・貧困もよく分からない」と述べた。
 フェアトレードもそうだが、環境、貧困はその現状を知り、自分たちにできることを考え、実行を起こすのが大切である。無関心のままではいけない。そのために、楽しみながら知る、というのはとてもよい機会になる。今回のフェアトレードフェスタは、関心の無い人にも、楽しみながらフェアトレードについて知ってもらうことができたのではないだろうか。 
“Put the last first”―列の最後の人を一番初めに―
津久井さんは自らのアクションの理念をこう述べた。
先進国に住む私たちは、自らが前に出ることばかりを考えるのでなく、後ろにいる人たち(この言い方は好きではないのだが)の生活の現状を知り、支える、本当の意味での先進国にならなければいけないのだろう。今回のイベントを通し、そう感じることができた。今度はG8サミットという大きなイベントを通し、環境や貧困の現実、そして私たちにできることを多くの人に知ってもらいたい。

(G8市民メディアセンター札幌市民記者 磯部愛)





はにかみの中に決意キリリ!
~フェアトレードフェスタ2008で出会った笑顔~


 輸入を通じた途上国の人たちとの対等な関係を目指す「フェアトレード」の輪を広げるため、「フェアトレードフェスタ2008inさっぽろ」が、去る6月14、15日の二日間にわたり開催された。
天気予報を軽く裏切る陽ざしに時々心地よい風が吹きぬける15日(日)の午後、ひときわ素敵な笑顔に惹かれて、北海道YMCAの出展ブースへ。ベトナムYMCAハンディキャップセンターで職業訓練として作成されたビーズ製品や刺繍、布製バッグ等を販売していたのは谷口麻由美さん(YMCA英語・スポーツ専門学校1年)だ。ここでの収益は大部分が製作者本人に入る仕組みになっている。
学校では国際的なボランティア実践を専攻している谷口さん。はにかみながらも終始笑顔を絶やさない彼女だが、海外でのボランティアに関心を持ったきっかけを尋ねた瞬間、顔から笑みが完全に消え、目が鋭く光った。「日本はとても平和で安全だけど、そうではない国がたくさんありますよね。日本人は都合のいいところばかりを見て生きていると思うんです。それではだめだと思います。まだ、漠然としているんですが・・」
G8サミットについても「上からものを見ている人たちだけで世界の大事なことを決めているように感じます。みんなにとって大事なことは世界の国みんなで決めていくようになればいいと思います」
 日本を飛び出し様々な国で活動するのが将来の夢だ。青年海外協力隊も選択肢のひとつ。「もちろん人のためではあります。でも、何よりも自分自身のためにそうしたいんです」 素敵な笑顔が戻っていた。

(G8市民メディアセンター札幌市民記者 安住順子)